株式会社フジキン様
InforCSI(SyteLine)体感型PoCサービス

自動車の駆動系部品など金属加工を手がける株式会社フジキン(以下、フジキン)は、Excelのマクロに依存する生産管理を業界標準のシステムへ移行し、属人化を解消することを計画した。ネオアクシスは、製造業の豊富な業務知識を活かし、クラウド生産管理「Infor CloudSuite Industrial(SyteLine)<以下Infor CSI>」のPoC実施および開発支援を担っている。

サービス・ソリューション

InforCSI(SyteLine) 体感型PoCサービス

本社 埼玉県八潮市大字二丁目1010-1
設立 1955年
資本金 7,800万円(2020年9月30日現在)
事業内容 自動車用駆動系部品の金属加工業
URL http://www.fujik.com/

課題

個人への依存度が高いExcelマクロによる生産管理

 フジキンは、自動車の「走る」「曲がる」基本動作を支える、駆動系・機能部品を手がける金属加工会社。月産約800万個のトランスミッションやステアリング周りの部品は、取引先の自動車部品メーカーで最終製品に仕上げられ、国内外の主要17社の自動車メーカーへ納品される。荒金賢治社長は「単純計算すると、国内生産される自動車の7台に1台が、当社部品を搭載していることになります」と説明する。
 同社は2005年頃、トヨタ生産方式を導入して、必要な量を必要な時につくるジャスト イン タイムの生産体制を構築した。これを機に、生産管理を手書き台帳からExcelベースへ移行。受注から出荷までの在庫数・補充数・スケジュール等の計算式をExcelのマクロで組んで生産管理する方式を10年以上継続してきた。
 近年、顕在化していた課題について、製造部の石川正和氏はこう説明する。「当社は頻繁に生産の仕方やラインに変更があり、その都度マクロに修正が必要です。しかし当社は専属のIT部門がなく、マクロのスキルを持つ少数の人間に作業負荷が集中していました」。
 また、取引先からの注文数変更も頻繁に発生し、納入調整のためのExcel再入力、紙の帳簿の確認など1件あたり約10分の作業が必要。ピーク時はこれが200〜300件集中し、Excelマクロと台帳による生産管理は限界に近づいていた。

選択

ニューヨーク視察でインフォアと出会う

 フジキンは5年程前から生産管理パッケージをいくつか検討したが、どれも決め手に欠け導入には至らなかった。計画が大きく動き出したのは2018年。荒金社長が、経営者を対象としたニューヨークのスタートアップ視察に参加したことが契機となった。「紹介された一社が、生産管理システムを手がけるインフォアという会社。ちょうど同社が大きな資金調達を行い業界トップを目指していた頃で、この成長スピードなら、同社製品に期待して間違いないだろうと思いました」(荒金社長)。
 荒金社長は帰国後、日本における拠点のインフォアジャパンにコンタクトした。その際に、自動車業界向けのクラウド型生産管理サービス「Infor CSI」の日本語対応版がリリースされることを知り、候補を同サービスに絞り込んだ。フジキンは既にその数年前から、会社サーバーの運用管理の手間を軽減するため、積極的に業務基盤としてAWSを採用していた。その“クラウドファースト”の考え方と、「Infor CSI」が共鳴したかたちとなった。
 導入の検討材料として欠かせなかったのが、同システムがフジキンの業務にどれだけフィットするかを判別する、適合率の調査。PoCを希望するフジキンの要望に応え、インフォアがPoC支援のパートナーとして紹介したSIerがネオアクシスであった。
 早速ネオアクシスは、フジキンの現地調査とヒアリングを実施し、PoCから導入・定着支援までのプランを作成。同社への印象を「非常に緻密で、しっかりした提案内容でした。このような高いレベルの提案ができる会社であれば、安心して任せられると感じました」(石川氏)。

導入

従来の業務プロセスを「Infor CSI」に合わせることで業界標準化

 こうして、PoCはネオアクシスの支援のもと、2019年夏に2週間をかけて実施された。担当した製造部の松岡太翼氏は「当社側で用意したのは、実際の製品名や在庫数のデータで、準備自体は大変ではありませんでした。ネオアクシスが、それらの情報と仮想のオーダー数を投入し、『Infor CSI』の適合性を判定していきました」。
 このPoCの結果、大きく “プレス”と“熱処理”の2つの業務のうちプレスは85%と高い適合率と判明。一方、「熱処理業務については当社独自の管理ルールや用語が多く使われていて、そのままでは『Infor CSI』では対応が困難と分かりました」(松岡氏)。
 ここでフジキンは、独自の熱処理業務のプロセス自体を、「Infor CSI」に合わせられないかと検討した。「今回のシステム化の最大の目的は属人化の解消です。“次の次の世代”へと継承していくため、業界標準の業務プロセスに変える好機。ここで『Infor CSI』導入の意思がほぼ固まりました」(石川氏)。
 こうして2019年秋に、ネオアクシスに正式発注され、導入プロジェクトが幕を開けた。最初のフェーズでは、ネオアクシスの技術者がフジキンの詳細な業務内容をヒアリングし、要件定義を実施した。製造部の原田進氏は「ネオアクシスは製造業のことをよく知っていて、こちらの説明が不十分でも真意をしっかりつかんでくれ助かりました」と語る。
 続いてネオアクシスは、「Infor CSI」のパラメータ設計に着手。一部、パラメータでは対応できない部分については、アドオン開発が実施されたが、標準化の妨げにならないよう、最小限のアドオン開発にとどめる配慮がなされた。

効果

取引先の増加にも柔軟な対応が可能に

 こうして2020年5月にプロトタイプが完成。運用テストを実施し、課題の洗い出しが行われた。基幹業務システムであることことを考慮し入念な品質チェックで万全を期し、2020年末頃に本番運用開始を計画している。
 期待する導入効果について石川氏は「やはり一番は属人化の解消です。作成者以外にとってブラックボックス化しやすいExcelマクロから、標準化されたシステムに移行することで誰もが共通ルールで情報閲覧やカスタマイズができるメリットは大きいと思います」。
 生産管理システムの標準化は、今後のビジネス拡大のために極めて重要だと原田氏は続ける。「特定の取引先に特化したシステムでは、新しい取引先に対応させることが困難です。実際に、今年から新たな大口の取引先が増えましたが、『Infor CSI』があれば不安なく対応できると見込んでいます」。
 「Infor CSI」の“付加価値”についても石川氏は期待を口にする。「今回、オプションの品質管理機能も実装しました。自動車業界ではリコール対応が必須ですが、納品先から数年前のロットの品質データを求められることがあります。台帳から該当の情報を探す手間がなく、エビデンスを調べて報告でき、お客様に満足いただけると思います」。
 「Infor CSI」は、生産管理部門の働き方改革にも効果が期待される。「特定の個人に集中していた業務を平準化することで、負荷を分散でき残業も減らせるはず。製造業はテレワーク化が困難な業種ではありますが、ゆくゆくは社外にいても生産管理業務ができるよう、改革を進めていきたいと思います」(石川氏)。

お客様の声

株式会社フジキン
製造部 副部長
製造部 生産管理課 課長
石川正和氏
株式会社フジキン
製造部 生産管理課 係長
原田 進氏
株式会社フジキン
製造部 生産管理課
松岡 太翼氏
プロジェクト途中に浮上した課題に対し、ネオアクシスは我々の立場になって考え、複数の案から一番よいものを提案してくれました。製造業のシステム構築経験が豊富で、こちらがうまく伝えられないことや困っていることを先回りして対応してくれたことに感謝します。定期報告はもちろんのこと、雑談で場をなごませてくれることも多く、コミュニケーション力が素晴らしい会社だと思いました。(石川氏)

ネオアクシス担当者より

ネオアクシス株式会社
DXサービス部 主査
峰岸 利幸
2019年当時、国内製造業で「Infor CSI」を導入した先行事例はほとんどなく、ネオアクシスとしても絶対に成功させたいプロジェクトでした。今回、フジキンの皆様とプロジェクトを経験して、生産管理をはじめさまざまな業務システムをクラウド化し、「全力でDXに取り組む」という熱意を感じたことが印象的でした。

資料ダウンロード